懐かしい日本の家をつくる方法

監修:日高保

装幀:吉池康二(アトズ)

B5判、本文4色、1,500円(税抜)

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普通が普通でなくなった時代に

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現代の高性能な仕様でつくる住宅ではなく、昔ながらの土壁・瓦屋根などを駆使して、文字どおり「懐かしい日本の家」をつくるための方法とその実例を紹介した本です。監修の日高保先生は鎌倉市在住の建築家で、伝統的な構法にこだわった建築を一貫して続けていらっしゃいます。

年代や生まれ育った環境によって、「普通の家」のイメージは人それぞれでしょうが、さて、そろそろ家でも建てようかと思い立った人が、「田舎のおばあちゃん家のような、普通で質素な家がいいな」と思っても、いま、そのような家はなかなか手に入りません。昭和の時代に「普通に」建てられていた家は、いまや非常に贅沢な家になっているのです。

たとえば壁に漆喰を塗るとか、外壁にモルタルを吹き付けるとか、人の手間がかかる工事はコストを押し上げる要因として避けられる傾向にあります。代わりに用いられるのが、ビニールクロスやサイディング。

人工的な質感を嫌う人は少なくありませんが、メンテナンスの手間やランニングコストを考えると、あながち悪い選択ともいえません。

かくして、多少質感の悪さは気になるものの、なるべく安くメンテナンスがラクになるようにつくられていくのが最近の住宅の主流です。

だから、この本で取り上げられている家を建てられる方は、いま、相当の覚悟をもって主体的に家づくりに臨んでいらっしゃる方ともいえます。

鎌倉にある日高先生のご自宅兼事務所も、そんな「懐かしい日本の家」です。土壁ですから断熱材は入っていません。だからといって、夏も冬も過ごしにくくて部屋にいられない、なんてことはまったくないそうです。

なにより土壁が湿気を吸ってくれるので一年中カラッと過ごせる。とくに梅雨の季節はよいと言います。国の主導で、日本中の住宅が同じ価値観に染められようとしている現代にあって、日高先生がつくられるような家はこの先ますます貴重な存在になっていくことでしょう。

ちなみに、撮り下ろしの写真は木村伊兵衛賞受賞の写真家・田附勝さんによるものです。

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