片づけの解剖図鑑

心地よい住まいをつくりだす仕組み

著者:鈴木信弘

装幀:寄藤文平(文平銀座)

A5判、本文2色、1,400円(税抜)

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うちが片づかないのは、設計者のミスに違いない

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「解剖図鑑シリーズ」の第2弾として、片づけについて考察した本です。

​帯に「『住まいの解剖図鑑』待望の続編!」とありますが、実際には続編でもなんでもなく、著者の鈴木信弘先生がご自身の経験から得られた「建築的に片づく家のつくり方」を図解されたものです。

本書を企画した当時(2011年)は、片づけ本ブームの真っ只中でした。

新・片づけ術「断捨離」』(やましたひでこ/マガジンハウス)、『人生がときめく片づけの魔法』(近藤麻理恵/サンマーク出版)といったベストセラーが次々と連発されていた時期です。

ただ私個人としては、それらに共通する「心の問題」みたいなものがあまり好きになれず、もっとドライに、精神論や感情論と切り離したところで片づけについて語れないかと考えていました。そんなとき思い出したのが、ある建築家が片づけについて語っていた言葉です。

「家が片づかないというのは、ほとんど家を設計した人の責任なんですよ」。

そこで、本書の「はじめに」はこんなふうに始まります。

「もし、あなたの家が、片づけても片づけてもまたすぐに散らかってしまう家だとしたら……それはあなたの責任ではありません。おそらく、あなたの家を設計した人の責任です」。

わが家が片づかないのをいったん「人のせい」にして、片づけが苦手なすべての人たちを自責の念から解放してあげようと試みました。のちに、「冒頭の文章を読んで気が楽になりました」という読者に何人かお会いしたので、この作戦はそれなりに効果があったようです。

片づけがラクになる住宅設計の元ネタは、鈴木先生と何度も議論しました。

打ち合わせで候補に挙がったネタについて、鈴木先生はその場で詳細なイラスト付きの解説を書いてくださいました。

が、後日私が「やっぱり面白くない」と思ったネタは次々とボツにしていったため、鈴木先生にはいまでも「あんなにたくさんイラスト描いたのに……」とボツ地獄の一件を責められております。とはいえ、ボツにしたネタの数が多ければ多いほど成果物のクオリティが上がるのは紛れもない真理なわけで、そのあたりは承知のうえで、先生には最後まで粘り強くお付き合いいただきました

ところで、【リビング】のページの最後に、「ソファとテレビの間にあるテーブルを片づけませんか?」と書いたのですが、この主張はなかなか受け入れられないようです。住宅系の雑誌を見ると、いまだに狭いリビングに大きなセンターテーブルがどーんと構えているレイアウトをよく見かけます。

他人事ながら、「あー、このテーブル片づけたい」という衝動に駆られるのですが、あのテーブル本当に必要でしょうか?

 

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